土鍋釜 誕生物語

第一部 出会い

土鍋で炊いたごはんとの出会い

第 1 話  「土鍋」との出会い

  きっかけは、土鍋で炊いたごはんを食べたことだった。新しいIH炊飯ジャーの開発に検討を重ねていたある日、デパートなどで売られている炊飯専用の土鍋を見つけて、試しに炊いてみることになった。土鍋にお米と水を入れて、直火にかけて炊飯するというシンプルな仕組みのものだ。単純な土鍋だけで一体どの程度のごはんが炊けるのだろうかと、期待しつつもいくらか甘く見ながらごはんを炊いてみた。
しかし、その炊き上がりには目を見張るものがあった。フタを開けた瞬間、湯気とともに香り立つ甘さと香ばしさ、ツヤのあるふっくらとしたごはんの粒、鍋底にうっすらと付いたおこげに純粋な衝撃を受けた。そこには、ごはんの原点である「かまど炊きのごはん」のおいしさと感動があったからだ。

開発着手

  タイガーでは、かねてより「かまど炊きのごはん」のおいしさを目指してIH炊飯ジャーの開発を続けてきた。薪(まき)で一気に炊き上げる強い火力、熱をしっかり溜め込む土壁の蓄熱性。この二つの要素が、お米の甘みを引き出して、ふっくら美味しく炊き上げる秘訣だった。
土鍋もまたそれと同じ方法で炊飯していた。特に土素材の器が熱を溜め込み、強い火力を継続してお米に伝える仕組みは「かまどの再現」と言っても良かった。そして何より、土で炊くごはんには自然の温かさと喜びが感じられた。土鍋をIH炊飯ジャーの内釜に使えば、「かまど炊きのごはん」が再現できる。しかも火を使わずに、ボタンひとつで、誰でも簡単に炊き上げられる。それこそが新しいIH炊飯ジャーへの光明となり、実現に向けた開発がスタートした。

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